おやすみなさい

入院最後の夜です。
先ほど睡眠薬飲みました。

今日新しい患者さんが来て部屋は満室になりました。
同部屋の患者さんはみんな昼間もカーテンを閉めちゃっています。
ぼくは寝る時以外はほとんどカーテン全開にしていたんですが、みんな閉めていたので全く他の患者さんと話しなどしませんでした。
最初の頃に登場した愛想のないおっちゃんが今日初めて話しかけてきました。
この患者さんは向かいのベッドでほとんどカーテンは閉まったまま、ぼくはカーテン全開なのでその人がトイレへ行こうとカーテンを開けて出てくるとよく目と目が合ってました。
朝や夜など会った時や放射線治療や診察に行く時いってらっしゃいやおかえりなさいなど挨拶をするようにしていました。
たぶん向こうはカーテン全開でプライバシーもなくヘンなヤツだな…なんて思っていたかも。
この方の奥さんは毎日面会に来てとても気さくでよく喋る人で、旦那さんが寝ちゃうとカーテン全開でウェルカム状態なのでよく三太郎に話しかけてきた。(ちなみに三太郎は超人見知りです)

そんな向かいのベッドの旦那さんが診察から戻りしばらくしたら話しかけてきた。
自分の病気のこと。
長い間闘病生活を繰り返していること。
先ほどの診察で脳に新しい腫瘍が見つかったこと。
あちこちに腫瘍ができてしまったが、子供も独立しているし自分はもう70才を越えているので自分の好きなように治療をやっていきたい。
一方的に話しを聞いてもらってすまないねと言っていた。

いつものように奥さんが面会に来て今日は息子さんも一緒に来ていて、脳に見つかった腫瘍の事を話していた。

面会が終わり奥さんと息子さんが病室を出て少し経って追いかけエレベーターの前で奥さんと息子さんを呼びとめた。
今までご主人とはほとんど話しをしなかったが今日話しかけてきて上に書いた事を伝え、気持ちが弱くなっているかもと伝えた。
ぼくの話しを聞いていた奥さんは目に涙を浮かべながら、他人にはなかなか心を開かないあの人がそんなことを言ったんですか…
知らなくても良い事まで1人で先に聞いてしまい困っていました。
気丈に振る舞っていても…
主人の話しを聞いていただき、また話した事を教えていただきありがとうございました。と言い帰っていきました。
どんな理由で向かいのご主人は三太郎に話しをしてきたのか…
またそれを奥さんへ言って良かったのかどうなのか…
命に関わる病気を患っている方の気持ちは計り知れないものがありますね。

おやすみなさい
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by santaro_03 | 2010-02-23 23:05